Jリーグと楽天は、『JリーグオフィシャルECプラットフォームパートナー契約』を結んでいます。
Jリーグファン・サポーターのみなさんがJリーグオンラインストアを通して気軽にグッズを購入できることで、
Jリーグをもっと楽しめるのではないか、そう考えました。
さらにJリーグの魅力をより広めるべく、
SOPH. CO.,LTD.代表取締役社長 清永浩文氏と共に魅力的な商品展開をしています。
SOPH.が創り出した架空のサッカーチーム『F.C.Real Bristol』と
JリーグクラブのコラボTシャツとパーカーの販売が決定しました!
この画期的なコラボは、どのようにして実現したのか。そしてグッズのデザインに込めた想いは——。
清永氏に、お話を伺いました。
清永さんが、サッカーに興味を持ったきっかけは?
清永
興味を持ち始めたのは、‘90年にイタリアで行われたFIFAワールドカップ(以下“ワールドカップ”)からです。
当時は九州に住んでいて、試合の放送自体がそれほどない時期でした。
“ドーハの悲劇”と言われるW杯アジア地区最終予選(‘93年)から、だんだん熱くなってきて。
本格的にのめりこんだのは、その翌年のアメリカで行われたワールドカップからですね。
SOPH.はファッションを通じてサッカー界を盛り上げていますが、このプロジェクトを考え始めた経緯を教えてください。
清永
SOPH.は‘98年秋・冬にスタートしたブランドです。サンプルを作って展示会を開いたのが、その年の6月でした。
‘98年と言うとサッカーファンはすぐ思い当たるでしょうが、日本代表が初めて出場したワールドカップが開催された年でもあるのです。
僕は展示会のあと開催地のフランスへ飛び、1ヵ月間滞在して各国の試合を観戦しました。
今でこそサッカーウェアを街で着ることは日常になっていますが、当時は皆無だったんです。
4年後、日韓で開催されることは決まっていましたから、「ファッションで日韓ワールドカップを盛り上げたい」という使命感に、勝手に駆られまして(笑)。何かお手伝いできることはないかと考えた結果、かっこいいサッカーウェアを作りたいと思い立ちました。
サッカーウェアは、サッカーチームありきで制作するものです。
でも産声を上げたばかりのブランドは、楽天さんのようにサッカーチームを持つことなんてできません(笑)。
じゃあ、空想で作ってしまおうという発想から生まれたのが、SOPH.で展開している架空のチーム『F.C.Real Bristol』です。
ご自身がサッカー観戦するときは、どんなファッションですか?
清永
まちまちですが、例えば冬なら「ベンチコートやダウン、ストールやマフラーがあったらいいな」などと考えますよね。
そうして浮かんだほしいアイテムを、自分のブランドで20年以上作り続けています。
今回のコラボに至った想いを、教えてください。
清永
‘99年からJリーグチームのスポンサードを20年以上やっていて、さらにウェアを作ったり、チームの株主になったこともありますし、日本のサッカー界……Jリーグを外側からも内側からも見てきています。
「いつか日本のサッカー界のお手伝いをしたい」という気持ちがずっとあり、コラボのお話をいただいたときに「恩返しをするいい機会だな」と思いました。
オファーが来た時のファースト・インプレッションは?
清永
「(声がかかるのが)遅いなぁ、俺って目立ってるはずなのにな」でした(笑)。
というのは冗談ですが、Jリーグと楽天さんがパートナーになったのが‘17年。
そこから土台を組み上げてある程度の基盤ができ、販売チャンネルが確立したタイミングなのでよい機会と思いました。
やはり決め手は「恩返し」でしょうか。
清永
そうですね。僕は地元が大分なので、‘99年から大分トリニータをスポンサードしています。
他にも東京ヴェルディ1969やアビスパ福岡のスポンサーを経験しました。
スポンサーになる場合は自分の中で決めているルールがあって、「生まれ育った街」「住んでいる街」「縁のある街」のホームチームを基準としています。
僕がサッカー界で利益を上げているだけに、これはある意味“奉納”です。
サッカー界からいろいろとアイディアをいただいているので、その恩返しとしてお手伝いしたい、という気持ちが発端ですね。
清永さんは、スポーツとファッションを融合させたパイオニアとも言われています。先駆者として、感じていることはありますか?
清永
20年近く“スポーツとファッションの融合”をしてきたので、サポーターが喜ぶ商品は作れると自負しています。それを提供していきたいですね。
このコラボレーションによって、どんな変化をもたらしたいですか?
清永
僕も大分トリニータのスポンサーを20年以上やっているので、Jリーググッズの歴史をずっと見てきています。
だからこそ、サポーターのみなさんの気持ちを「オフィシャルでこういうグッズがほしかったんだ!」という方向へ持っていけるんじゃないかな、と思いますね。
『F.C.Real Bristol』とJリーグクラブのコラボで、まさに「こういうグッズがほしかったんだ!」というアイテムが誕生しました。
清永
ありがとうございます。ホームのチームだけじゃなく、敵チームのアイテムもほしくなってもらえるはずだと思っています。
Jリーグには多数のチームがありますが、デザインに落とし込む際にこだわったポイントは?
清永
基本的にはチームカラーをデザインにどう落とし込むか、さらに街着にしてもらうにはどうしたらいいか、そこにこだわっています。
応援時でも普段着としても、使えるものにしたかったんです。
ニューヨーク・ヤンキースのキャップをオシャレでかぶっている人は、日本でも結構いますよね。
でも好きな日本のプロ野球チームのキャップをオシャレとしてかぶる文化は、この国にはまだ根づいていません。
そういう文化の定着に、少しでもお手伝いできればという意識があります。
その意味でも、デザインとしては“やりすぎず・やらなすぎず”のさじ加減を重視しました。
例えばサラリーマンが地元チームのユニフォームを会社に着てきたら、「今日は試合なのかな」という気持ちになりません?(笑)
そういう“ガチ感”を見せず日常に落とし込むために、引き算のデザインを考えました。
チーム色を前面に出しすぎると、あくまで観戦着になってしまう。それだとユニフォームには勝てません。
今回のコラボアイテムは、端からだと「あまりチームをアピールしてないね」と見えるかもしれませんが、そこはあえて意図した引き算なんです。
実際にタウンユースできて、でも“わかる人にはわかる”デザインなので、サポーター心をくすぐります。
さらに思わずいろんなチームを揃えたくなる、コレクターズ魂もくすぐるというか。
清永
そうですね、その意味でもロゴはほどよいサイズ感に仕上げています。
さらに『F.C.Real Bristol』のコラボというところも、『F.C.R.B.』ファンにとってはたまらないポイントだと思います。
デザイン上で、コラボにおいて重視した点は?
清永
いつのシーズンのアイテムかわかるように“2020.”と入れていますが、この数字はSOPH.と同じフォントです。
またピリオドも同じ書体で打って、特別感を演出しています。
老若男女どの層でも着こなしやすいアイテムなので、これを着て観戦へ行ったら楽しそうですね。
清永
もちろんスタジアムで着てもいいですし、普段着使いもできます。
サポーターには「いつもどこかに好きなチームのアイテムを身につけたい」という願望があるんですよ。そのお手伝いができれば、と。
ユニフォーム以外のアパレルは、Jリーグの過去を振り返ってもあまりないアイテムなので、新たな扉を開く商品になれれば幸いです。
Jリーグファンのみなさんへ、メッセージをお願いします!
清永
今、Jリーグはとても成熟しています。
とても熱くておもしろいこのリーグを、ぜひみなさんで盛り上げていきましょう。
僕は去年、大分トリニータの試合だけで13試合を観戦しています。
楽天さんがスポンサーのヴィッセル神戸も2試合、見に行かせてもらいました(笑)。
世界で活躍していた選手を日本で見られることも、Jリーグの大きな特徴だと思います。
清永
それこそヴィッセル神戸のイニエスタを筆頭に、世界の有名な選手が日本のチームに所属しているので、一流のプレイを見られるリーグになっています。
もしまだ生でJリーグを見たことのない人がいたら、洗練された試合を見ることができますから、ぜひ観戦してほしいですね。
最後に、今後のJリーグに期待していることは?
清永
東京23区内に、サッカー専用スタジアムがほしいです。もしできたら、きっとしょっちゅう通うことでしょう(笑)。
SOPH.が展開するブランドの一つとして1999年にスタート。
プレイヤーからサポーターまで、架空のチームを取り巻くすべての人々をイメージしたオリジナルウェアを展開。
サッカーウェアを独創的なコンセプトによりオリジナリティ溢れるファッションウェアとして昇華させている。
1967年生まれ。
SOPH. CO.,LTD.代表取締役社長。
98年「SOPH.」を(2002年にSOPHNET.へ改名)、
翌99年に「F.C.Real Bristol」を立ち上げる。
2008年にはuniform experimentをスタートするなど
チャレンジングな戦略でシーンを牽引し続けている。